シルバーカーは足腰に不安を感じている高齢者の歩行をサポートしてくれる介護用品の押し車です。
ハンドルを両手で握って押しながら歩くため杖よりも安定した姿勢を取りやすく、
買い物の時には荷物を入れられるバッグがついているので
足元に不安がある方のお出かけを快適にしてくれます。
そこで、シルバーカーの特徴や選び方等をご紹介します。
シルバーカーの特徴
シルバーカーは、
足腰が弱ってきて歩行に不安を感じる方がお買い物など外出の際に使用する手押し車型の介護用品です。
ハンドルを握り手で押しながら歩行するので姿勢が安定し、
歩行をサポートし、お出かけを楽にしてくれます。
両手でつかまって歩けるので杖よりも安定して歩くことができます。
また、荷物を入れられる収納スペースと座面が設けられているタイプが多く、
買い物の荷物を入れて押して歩くことができる為、重いものを持ち運ぶ負担が少なく、
また疲れた時には付属の座面に座って休むこともできます。
歩行に不安があり、外に出るのが億劫な方もシルバーカーを活用することで
お出かけが快適になる効果が期待できます。
歩行器との違い
シルバーカーと歩行器の最も大きな違いは
シルバーカーが自力で歩ける人向けに歩行をサポートする為に作られているのに対し、
歩行器は自分で歩くのが難しい人が使用するための福祉用具だからです。
また、シルバーカーは自費での購入のみ、
歩行器は介護保険を利用してのレンタルが出来るという点です。
シルバーカー
シルバーカーは歩行や体力に不安が出てきた方の為に
重い荷物を収納に入れて押すことが出来たり、
疲れた時に座面に座って休むことができるので、お出かけの負担を減らすことができます。
シルバーカーは介護保険対象外です。
歩行器
歩行器は自分で歩くのが難しい高齢者や疾病や障害などで歩行が困難な方の歩行をサポートしたり、
歩行訓練に使用される福祉用具です。
歩行器はシルバーカーよりも安定性に優れており、
固定型歩行器、交互型歩行器、車輪型歩行器(歩行車)など、用途・目的に応じて選ぶことができます。
歩行器には荷物を入れる収納が付いてないものもありますが、
中には収納が付いているものもあります。
また、座面付きのタイプもあり、疲れたら休憩することも可能です。
歩行器は介護保険の対象となります。
シルバーカーの種類はいろいろ
シルバーカーは大きさや形状など、さまざまなタイプが登場しています。
軽量の2輪タイプからしっかりと荷物を入れられる4輪のタイプなどの種類があり、
価格帯も約1万円程度~約3万円程度と幅広くあります。
機能だけでなく、収納のバッグの柄なども多様にありますので好みにも合わせて選ぶことができます。
コンパクトタイプ
小さめで軽量のシルバーカーです。
収納の容量が少ないため収納力はありませんが、
バスや電車などの乗り物の移動が多い方におすすめです。
小さくても椅子が付いているので疲れた時は椅子を出して休憩することができます。
ミドルタイプ
ボックスタイプでは大きすぎるという方におすすめのシルバーカーです。
程よい収納力でお買い物の荷物も収納できます。
座面がついていないタイプがありますので事前に商品情報をチェックしておきましょう。
ボックスタイプ
標準タイプとも呼ばれ、従来からある形です。
容量の多い収納が付いており、座面にもクッション性のある素材が採用されているので
食料品などのお買い物に使いたい方、よく座りたい方に向いています。
また、安定性があるのでコンパクトタイプでは不安な方にもおすすめです。
ワゴンタイプ
ワゴンタイプは収納スペースがバッグではなく、
カゴ上になっており、重たいものの運搬などにもおすすめです。
よごれを拭き取りやすいので汚れやすいものも運ぶことができます。
ワゴンタイプは若年層の方にも人気があり、幅広い方が活用しています。
座面が付いているもと付いていないものがあり、
付いていないものはたくさんの荷物を持ち運ぶことができます。
使用方法や目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
シルバーカーの選び方
シルバーカーを選ぶときにはデザインのタイプだけでなく、サイズや機能性も考慮する必要があります。
主にチェックしておきたいのは以下の3項目です。
ハンドルの高さ
シルバーカーの持ち手の高さの目安は
身長÷2+5~15cmです。
ほとんどの製品が利用者さんに合わせて高さの調節が可能です。
また、背の高い方向け、小柄な方向けなどさまざまなサイズが用意されていますので、
下記を参考に選ぶようにしてください。
身長とハンドルの高さの目安
・身長:90~110cm、ハンドルの高さ:60cm
・身長:100~120cm、ハンドルの高さ:65cm
・身長:110~130cm、ハンドルの高さ:70cm
・身長:120~140cm、ハンドルの高さ:75cm
・身長:130~150cm、ハンドルの高さ:80cm
・身長:140~160cm、ハンドルの高さ:85cm
・身長:150~170cm、ハンドルの高さ:90cm
・身長:160~180cm、ハンドルの高さ:95cm
・身長:170~190cm、ハンドルの高さ:100cm
重量
シルバーカーの重さはタイプやデザインにより幅があります。
乗り物に乗るときや旅行のときなどはコンパクトで軽量なタイプがおすすめです。
しかし、軽量タイプは安定感に不安を感じる方も多く、軽ければ良いというわけでもありません。
とはいえ、重量があるタイプで荷物も収納すると段差がある場所で困ることもあります。
シルバーカー本体の重さと荷物を入れた時の重さを考慮して
持ち上げられる重量かどうかは検討が必要です。
前輪角度
シルバーカーには車輪の角度を調節できるものがあります。
主に2WAYキャスターと3WAYキャスターのタイプがありますが、
どちらの機能がついているかは商品情報をチェックして選びましょう。
・2WAYキャスター:直進と90度など2種類の角度に調節可能
・3WAYキャスター:直進・90度・360度等3種類の角度に調節可能
シルバーカーを使用する際の注意点
シルバーカーを使用する際には注意点を守り安全に使うようにしましょう。
大丈夫だと思っていると思わぬ事故につながりますので
ご家族の方も注意を払ってサポートすることが大切です。
段差に注意
歩道など、外にはたくさんの段差があります。
無理に段差を越えようとするとご自身がバランスを崩して転倒してしまうことがあります。
外だけでなく、電車に乗るときのホームと列車の隙間は危険ですので押したまま電車に乗らないようにし、
難しい場合は駅スタッフのサポートを受けるようにしてください。
エスカレーターでは利用厳禁
エスカレーターでの利用は禁止になっています。
エスカレーターではシルバーカーが先にエスカレーターに乗ることになりますが
この時にシルバーカーに置いて行かれ、転倒する原因になります。
面倒でもエレベーターを使用しましょう。
ブレーキのかけ忘れに注意
座るときは必ず駐車ブレーキをかけてから座ります。
ブレーキのかけ忘れでシルバーカーが後ろに移動して尻もちなどの転倒につながることがあります。
ブレーキをかけてから休憩することを習慣づけるようにしましょう。
シルバーカーは介護保険のレンタル対象外
シルバーカーは歩行の補助や身体を支える目的で使用される物とされておらず、
自立している方が対象です。
そのため、介護保険のレンタル対象外となり、自費での購入が必要です。
シルバーカーは介護用品専門店やホームセンターなどで購入することができます。
自費での購入となりますので、買い替えの判断なども全て自分で行うことになりますが、
お店のアドバイスなどをもらいながら選ぶのがおすすめです。
一方、歩行器や歩行車は介護保険でレンタルが可能となります。
1割負担の方は月200円程度~500円程度でレンタルすることができますので、
介護用品専門店やケアマネージャーに相談して決めると良いでしょう。
ニーズに合ったシルバーカーを選ぶのがベスト
シルバーカーについてご紹介しました。
シルバーカーには様々なタイプが存在し、その用途によって合うものが違います。
できれば軽量のコンパクトタイプと収納容量の多いボックスタイプ両方を持ち、
お散歩や公共交通機関での移動がメインの時にはコンパクトタイプ、
お買い物の時にはボックスタイプなど、上手に使い分けると外出もより快適になります。
ハンドルの高さなどのサイズは疲れにくいサイズを介護用品専門店で相談しながら選ぶと安心です。