高齢の方や身体が不自由な方の生活をサポートするのが福祉用具です。
介護が必要になった方のために購入とレンタルどちらが良いのか迷う方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、福祉用具のレンタル、購入それぞれのメリット・デメリット、レンタルするか購入するかの判断の仕方などを解説します。
福祉用具(介護用品)をレンタルするメリット・デメリット
メリット
福祉用具をレンタルする最大のメリットは自己負担金額が少なく身体の状態や状況に合わせて返却する事が出来る点です。
介護保険を利用することで月々の負担を軽減して利用する事が出来ます。
また、不要になった際には返却する事が出来たり、身体の状態に合わせて他の介護用品に変更することが出来る点も大きなメリットです。
デメリット
レンタルの福祉用具は中古品が一般的です。
そのため、中古品に抵抗がある方にとってはデメリットとなると言えるでしょう。
あくまでもレンタル品であるため、気兼ねなく使う事が出来ないという点も心理的負担に繋がる場合もあります。
契約内容によっては破損や汚れが生じた際に自己負担での対応が必要となります。
福祉用具(介護用品)を購入するデメリット・デメリット
メリット
福祉用具を購入する最大のメリットが新品で好きなものを購入出来るという点です。
レンタル品のようにサービス事業所に用意されているものではなく、自分が好きなメーカーやデザインなどを自由に選ぶ事が出来ます。
また、介護保険を利用してレンタル出来るのは要支援または要介護の認定を受けた対象者に限られます。
購入であれば対象外の方でも自由に介護用品を使う事が可能です。
デメリット
レンタルは身体の状態に合わせて変更したり、返却する事が出来ますが、購入したものは処分に困ることもあります。
買い替える場合はそのたびに費用がかさんでしまうという点もデメリットとなります。
全ての要介護者がレンタルできる福祉用具
手すり
工事不要で設置可能な手すり、任意の場所に置いて使用出来る手すりなどがあります。
スロープ
工事不要で設置・撤去出来る段差解消のためのスロープなどがあります。
歩行器
歩行を伴う機能と移動時に体重を支える構造をもつ固定型歩行器や四輪歩行車などがあります。
シルバーカーは対象外となりますので注意が必要です。
歩行補助つえ
サイドウォーカー、松葉づえ、多脚杖、ロフストランド・クラッチなどがあります。
自動排泄処理装置
ベッドに寝たままの状態で排泄処理が出来る装置で、排尿と排便をセンサーで感知し、吸引洗浄、乾燥を自動で行う事が出来ます。
要介護度2~5の方がレンタルできる福祉用具
車いす
車いすは以下の3種類がレンタル可能です。
・自走用車いす
・介護用車いす
・電動車いす
車いす付属品
車いすをレンタルする際に必要に応じて付属品も借りる事が可能です。
車いす付属品としては以下の3つがあります。
・車いす用クッション
・姿勢保持用品
・電動補助装置
特殊寝台(介護用ベッド)
特殊寝台は以下の2種類がレンタル出来ます。
・サイドレール付きまたは取り外し可能なベッド
・床の高さや脚の高さなどの調節が可能なベッド
特殊寝台付属品
特殊寝台と一緒に使用する用具としてレンタルする事が出来ます。
・マットレス
・サイドレール
・ベッド柵
*床ずれ防止用具
体圧分散効果を目的としたマットレスが該当し、以下の3種類からレンタルする事が出来ます。
・エアーマットレス
・ウォーターマットレス・静止型マットレス
体位変換器
起き上がりや体位変換をする際に要介護者の体位を容易に変換してくれる機能がついているもので、以下の2つがレンタル出来ます。
・起き上がり補助装置
・体位変換補助パッド
認知症老人徘徊感知機器
要介護の方が家から外にに出ようとしたときに家族にセンサーで知らせる機能がある福祉用具です。
・認知症外出通報システム
・臨床センサー
移動用リフト
自力で移動することが困難な方の移動を助けます。
下記の3種類が存在します。
・床走行式
・固定式
・据え置き式
高額な製品はレンタルがお得
福祉用具はその方の身体の状態の変化に合わせて変更する必要が出てくる場合があります。
そのため、購入すると高額な製品はレンタルの方がお得です。
高額な福祉用具といえば車いすと介護ベッドです。
例えば電動ベッドは約25万円程度~約45万円程度が相場です。
介護用ベッドの平均貸与額は月額おおよそ9,000円程度ですが、1割負担の方が介護保険を利用すれば月額900円程度で利用する事が出来ます。
高額で大型の介護用品のレンタルは将来的な使い方も含めてケアマネージャーや福祉用具専門相談員に相談して決めるようにすると良いでしょう。
身の回りで使うもので新品にこだわる場合は購入する
杖のように比較的安価で身の回りで使用する福祉用具は購入した方がお得なケースもあります。
杖などはデザイン性が高いものも多く、気に入ったデザインのものを新品で利用した方が良い場合もあります。
お出かけに使うものなど、汚れが気になるものやデザインにこだわりたいもの、価格が高額でなく比較的頻繁に交換するものは購入した方が便利ですし気に入ったものを使用する事が出来ます。
◼︎福祉用具は福祉用具専門店で選ぶと安心
福祉用具はショッピングモールやホームセンターなどでも購入することができますが、福祉用具専門店で選ぶと失敗が少なくなります。
専門店と一般的なショップとの違いは福祉用具専門相談員が居るかいないかです。
福祉用具専門相談員は要介護者に合った福祉用具選びをサポートする専門職です。
専門的なスタッフがいるところで購入、レンタルすれば利用する方の状態や生活環境に合わせた用具選びのサポートをしてもらえます。
また、使用方法の説明や用具の調整等もしてもらえるため安心です。
ケアマネージャーや福祉用具専門員と相談しながら決める
福祉用具は利用する方の身体の状態や住環境により最適なものが異なります。
また、身体の状態が変われば必要な福祉用具も変化していきます。
利用者ご本人だけでなく、介護する方や自宅のスペースなども選定の上で大切なポイントです。
不安なことは気軽にケアマネージャー等に相談して最も合う福祉用具を選ぶようにしましょう。