株式会社 狼煙

福祉用具に関する法律と介護保険で利用できる福祉用具の種類

 

福祉用具の開発や普及の促進のために
「福祉用具法」という法律があります。

 

ここでは福祉用具法、介護保険法とは何か
介護保険でレンタルできる福祉用具にはどのようなものがあるかをご紹介します。

 

福祉用具に関する法律

福祉用具法とは

福祉用具法とは
「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」とも呼ばれ
1993年に成立した法律です。

 

高齢者、障害者などの自立を支援し、介護を行う方の負担軽減を図るために
日本の高い技術水準を高齢者・障害者の分野に応用し
生活に便利で快適な福祉用具を研究開発し普及させることを目指しています。

 

介護保険法

介護保険法は、要介護者が必要な保健医療サービスや
福祉サービスを受けられるように介護保険制度を設け
その行う保険給付等に関して必要な事項を定めることを目的とする法律です。

 

10月1日は「福祉用具の日」

福祉用具の日とは
社会全体が福祉用具を身近に感じられるよう、平成14年から始まった取り組みです。

 

福祉用具の普及、啓発キャンペーンの取組みが行われており
9月10月を福祉用具の日推進月間としています。

 

高齢者や障害者が日常生活や社会参加をするうえで
福祉用具はなくてはならないものです。

 

しかし、一般的にはまだあまり馴染みがないのが現状です。

 

いざ必要な状態になってもその存在を知らなかったり
知っていても周囲の目を気にして使うことをためらうこともあります。

 

そこで、必要とする方どなたでも
福祉用具を利用しやすい環境を整えていくことが求められています。

 

福祉用具にはどんなものがあるか

福祉用具には、利用する方の生活を便利にサポートするものがたくさんあります。
ここでは介護保険の給付対象となる福祉用具をご紹介します。

 

特殊寝台

電動ベッド、ギャッジベッドと言われます。

 

フレームが背、腰、脚の3つの部分に分割され
利用者の必要に応じた姿勢に動かすことができます。

 

高さ調節機能では利用者がベッドから楽に立ち上がれる高さや
介助する方が楽な姿勢で介助できる高さを選択できます。

 

車いす

下肢や体幹に障害がある方や
加齢により長時間歩いて移動できない方のための移動補助用具です。

 

車輪と椅子の部分で構成されており
介助する人に押してもらう介助式車いすと電動で動く電動(自走式)車いすがあります。

 

自走式車いすはハンドリムがついており
手でハンドリムを操作して行きたい方向に進みます。

 

床ずれ防止用具

エアーマットにポンプで空気を送り込み、セルの系列ごとに変化させます。
周期的に膨張と収縮を繰り返しながら身体を支持する構造のものが代表的です。

 

素材や構造にはさまざまなものがあり、製品の幅が非常に広いのが特徴です。

 

歩行器

歩行が困難な方の歩行を補うものです。
フレームに両手でつかまった状態で歩く動作を助けます。

 

左右をずらすように交互に動かすタイプと
フレーム全体を持ち上げて前へ置きながら歩行するタイプがあります。

 

ポータブルトイレ

居室でも使える移動式の便器です。

 

下にバケツ等が組み込まれており
プラスチック、木製、スチール製など材質もさまざまです。

 

室内に置くことを想定して家具調のチェアが普及しています。

 

シャワーチェア

浴室内で身体を洗ったり、洗髪をする際に座るための椅子です。

 

サイズや座面の形状などはさまざまものがあります。
使う方にとって使いやすいことと
同時に浴室に入るサイズであるかを事前に確認することが大切です。

 

入浴補助用具

入浴補助用具にはさまざまなものがあります。
例えば、浴室への出入りを楽にしてくれるバスボードや手すり、浴槽内いすなどがあります。

 

浴室で使用する物なので滑りにくい材質や
湯気や浴槽の中でも見つけやすいように色が工夫されています。

 

入浴用リフト

浴室に設置して座面が昇降することにより
入浴時にご本人や介助者の負担軽減や安全性に繋がります。

 

高さを一番低い所まで下げればゆったりとお湯に浸かることも可能です。

 

段差解消機

段差解消機は玄関などに設置し
リフトで上下に移動することで段差を解消することができます。

 

玄関アプローチにスロープを設置できないなど狭い場合に有効で
大規模なリフォームをするよりも経済的です。

 

ただし、安全性を確保する上で設置場所は事前に十分な注意が必要です。

 

立ち上がり座椅子

立ち上がるのに不便を感じる方の、立ち上がり動作を楽にする座椅子です。

 

立ち上がりの際に座面が稼働し、身体を押し上げてくれますので
腰や膝への負担を軽減してくれる効果が期待できます。

 

スライディングボード

スライディングマットとも呼び
座ったままベッドから車いすへの移乗が可能になるものです。

 

移乗の際の事故を防止できるほか、介助者への負担を減らすことができます。
移乗しやすいように滑りやすくする工夫がされています。

 

六輪歩行器

六輪歩行器は車輪が6つ付いているので走行が安定し、小回りが利きます。
4輪歩行器では直進に安定性がない方に向いています。

 

福祉用具の役割

サイドレールがついているベッドであれば
ベッドから転落する危険性を抑えることができ
電動ベッドであれば起き上がりが楽になります。

 

車いすがあれば足腰に障害がある方でも外出が可能になり
自立した生活を続けることができます。

 

福祉用具は要介護者や要支援者が安心した生活をすることができ
介護者の負担を軽減するための役割を担っています。

 

福祉用具には種類や性能により
一般購入品、一般レンタル可能商品、介護保険購入商品
介護保険レンタル商品として利用することができます。

 

福祉用具のうち13種目は介護保険でレンタルできる
「福祉用具貸与サービス」として提供されています。

 

介護度によりレンタルできないものがあるので注意

介護保険でレンタルできる福祉用具はそれぞれ適用基準が設けられております。
基準に合ったもののみレンタルが可能です。

 

要支援・要介護1の方がレンタルできる対象用具は一部に限られます。

 

レンタル料金は原則として月額料金となっており
介護保険適用の対象となり、利用者は費用の1~3割負担で用具をレンタルすることができます。

 

まずはケアマネージャーに相談を

心身の機能が低下した方も福祉用具を適切に利用することで
動作が楽になったり、自立した生活を送ることができます。

 

福祉用具貸与サービスは「福祉用具貸与事業者」が提供していますので
事業者の相談員が利用者さんの身体の状態や
環境に合せた福祉用具選びをサポートしてくれます。

 

福祉用具貸与事業所を選ぶには
まずはケアマネージャーに相談することになります。

 

福祉用具の利用を検討している場合は
ケアマネージャーに連絡するようにしましょう。