株式会社 狼煙

浴室に手すりを付ける方法と入浴補助用具を介護保険で利用する流れ

 

浴室は段差が多く濡れた床が多い上、入浴中はさまざまな動作をしなければならず
介護を必要としている方には体力のいる行為です。

 

手すりなど入浴を助ける用具があれば、入浴に伴う動作を楽になるため
利用者ご本人も介護にあたる方も負担を減らすことができます。

 

そこで、浴室に手すりを取り付ける方法や
福祉用具の手すりを利用する方法などについてご紹介します。

 

お風呂に手すりを付ける方法

お風呂に手すりを付ける方法は主に
・リフォームで手すりを取り付ける
・福祉用具の手すりを利用する
の2つの方法があります。

 

リフォームで手すりを取り付ける

リフォーム工事で手すりを取り付ける方法です。
手すりには縦手すり、横手すり、L型手すりなどの形があり、用途に合わせて適切な場所に取り付けます。

 

浴室の中では浴室の出入り口や洗い場の立ち座りに便利な位置
浴室に出入りする際につかまることができるように浴槽近くなどに取り付けます。

 

手すりの取り付けは介護リフォームの対象となります。
介護リフォーム工事の対象となる工事費の上限は20万円となり
交付される額は申請者の所得税によって9割~7割となります。

 

福祉用具の手すりを利用する

もう1つの方法は福祉用具の手すりを介護保険で購入し、取り付けるという方法です。
福祉用具の手すりは浴槽の縁に取り付けて浴槽への出入りを助けます。

 

手すりは浴槽の縁なら好きな位置に取り付けることができ、高さも調節可能なので
利き手利き足、身長など、利用者ご本人に合わせて取り付けることができます。

 

福祉用具の利用にはケアマネジャーに相談して福祉用具サービス計画書を作成してもらい、購入します。
一旦全額を支払い、その後利用金額の9割~7割が介護保険分の還付として指定した口座に振り込まれます。

 

入浴補助用具は販売対象品目となる

福祉用具にはレンタルするものと購入するものがあります。

 

直接肌に触れることが予測されるものは「特定福祉用具」と呼ばれ
貸与になじまない性質から介護保険を利用して購入します。

 

特定福祉用具販売の対象品目は以下の用品です。
・腰掛便座
・自動排泄処理装置の交換可能部品
・入浴補助用具
・簡易浴槽
・移動用リフトの吊り具部分

 

特定福祉用具には入浴補助用具が含まれています。
つまり、浴室で利用する福祉用具は介護保険を使って購入することになります。

 

入浴補助用具を購入する流れ

介護保険を利用して福祉用具を利用するためには以下の流れで申し込む必要があります。

 

ケアマネジャーに相談する

福祉用具の購入やレンタルを検討している場合はまず
地域包括支援センターもしくは居宅支援事業者のケアマネジャーに相談します。

 

福祉用具サービス計画書の作成

相談内容をもとにケアマネジャーが「福祉用具サービス計画書」を作成します。

 

福祉用具サービス計画書に記載されていることは利用目的を達成するためのサービス内容
福祉用具の機種と選定した理由、福祉用具の使用時の注意事項等を記載します。

 

福祉用具の申し込み

指定された福祉用具事業者に申込みします。
福祉用具事業者には専門相談員がいますので、福祉用具についてのアドバイスをもらうこともできます。

 

商品到着

商品が自宅に到着します。
費用は一旦自己負担で全額支払います。

 

介護保険を利用して福祉用具を利用するためには一度全額負担となる点は留意しておきましょう。

 

介護保険の利用申請

特定福祉用具を介護保険で購入するためには申請手続きをしなければなりません。
支払い後、市区町村に「福祉用具購入費支給申請書」を提出します。

 

購入費の支給

利用額の9~7割が指定した銀行口座に支払われます。

 

一部の地域では後日銀行振込だけでなく、「受領委任払い」といって
購入者は福祉用具事業者に自己負担分の1~3割を支払い
残りは直接業者に支払われる方法に対応していることもあります。

 

特定福祉用具販売の対象者

特定福祉用具販売の対象となる方は介護保険で要介護もしくは要支援の認定を受けた方です。
要支援の方を対象とする特定福祉用具販売は「特定介護予防福祉用具販売」という名称となります。

 

特定福祉用具販売は在宅の方のみが対象で
介護保険施設やグループホーム、介護付き有料老人ホームの入所者は対象外となります。

 

福祉用具の購入で介護保険はいくらまで利用できるか

特定福祉用具の利用には上限が決められており、年間10万円分までの購入可能枠が設けられています。

 

特定福祉用具販売業者が手続きを行うことで
「償還払い(払い戻し)」という形で自己負担額に応じた金額を受け取ることができます。

 

10万円の上限を超えた分は自己負担となります。

 

入浴補助用具を利用するメリット

入浴補助用具を利用することで、利用者ご本人だけでなく
介助者にとってもさまざまなメリットがあります。

 

入浴の一連の動作が楽になる

入浴には浴槽をまたぐ、お湯に浸かる、体を洗う、などさまざまな動作があり、筋力や体力を必要とします。
利用者ご本人の身体的負担を減らすためにも入浴補助用具は一連の動作をサポートする働きがあります。

 

入浴中の事故を防ぐことができる

浴室は濡れた床で足を滑らせたり、段差のある出入口でつまづいたり、転倒事故の起こりやすい場所です。
そこで、転倒しにくい環境を作る入浴補助用具があります。

 

出入口の段差を解消したり、浴槽を浅くしてまたぎやすくするなど転倒防止をしたり
動作をスムーズに行えるように助けます。

 

介助者の負担を減らすことができる

入浴の介助は介助者にとっても体力が要り、また事故防止のために神経を使うこともあるでしょう。
手すりや入浴台などを利用してご本人が自分でできることが増えれば介助者の負担を軽減することができます。

 

まずは担当ケアマネジャーに相談を

入浴補助用具をはじめとして自宅で使用できる福祉用具にはさまざまなものがあります。

 

ケアマネジャーは福祉用具についての知識も深いため
その方の状況に合った福祉用具のアドバイスをもらうことができます。

 

不便な生活を我慢せず、利用する方も介助をする方も両方の負担が軽くなり快適に過ごせるよう
福祉用具の導入を検討している場合や気になることがあったらまずはケアマネジャーに相談してみましょう。